桑畑幸博

「あの人は鋭い感性を持っている」と「あの人は豊かな感性を持っている」の違いはなんだと思いますか? なぜ「鋭い」と「豊か」という形容詞を使い分けるのでしょう? 定義と使い分けについてヒトコトで表すと、前者が感性の質(の高さ)、後者が量(の多さ)を表していると考えられます。 無線機のメタファーで表現すれば、「感性が鋭い」とはアンテナの感度が高い(鋭敏)ということ、そして「感性が豊か」とはアンテナの種類が多いということです。   アンテナの感度が高いから、微弱な電波を拾うことができる。   アンテナの種類が多いから、様々な帯域の電波を拾うことができる。 「人が気づかないような些細なことに気づく」のが「感性が鋭い」ということであり、「たくさんの刺激に反応する」のが「感性が豊か」ということ。 能力という視点で言えば、「感性が鋭い」とは『他人が面白いと思わないようなことを面白いと思える力』が、そして「感性が豊か」とは『様々なモノゴトを面白いと思える力』が備わっている、と言えるでしょう。